作業療法士に向いている人ってどんな人？特徴や理由も紹介

作業療法士は、協調性や忍耐力、観察力などが優れている人にぴったりの仕事です。また、多くの患者と接しながら、ひとりひとりの些細な変化にも気付けるようなコミュニケーション能力も重要です。これらのスキルをもつ人は、作業療法士としての役割を、より効果的に果たせるでしょう。

作業療法士に向いている人

作業療法士は、主に身体的、精神的、発達的な障害をもつ人の能力を向上させ、日常生活や社会生活への参加を支援する専門家のことを指します。リハビリテーションセンターや病院、学校、老人ホームなどで働き、障害のある人へのサポートをおこないますが、この仕事には向き不向きがあります。

そこで、まずは作業療法士に向いているのはどんな人か、みていきましょう。

協調性のある人

まず、作業療法士には協調性が求められます。作業療法士は患者と密接に関わり、患者の生活の質を向上させるためにさまざまなチームと協力します。そのため、ほかの医療専門家や患者の家族と協力しながら治療計画を立てることが大切です。

また、患者自身との関係構築にも協調性は必要不可欠であり、ニーズや要望を理解し、気持ちに共感しながらサポートをおこなえる人が向いているでしょう。

忍耐力がある人

次に、忍耐力があるかどうかも重要な要素です。作業療法は、患者が物理的または精神的な課題を乗り越えるまでに長い時間がかかることがあります。そのため、作業療法士は患者のペースや能力を尊重し、彼らが成長するまで根気強くサポートする必要があります。患者の挫折や、進捗の遅れにも耐え、寄り添える心の持ち主でなければなりません。

観察力が優れている人

観察力の優れた人も、作業療法士に向いています。患者の状態や反応を正確に把握するためには、細部にいたるまで観察する能力が必要です。また、患者の発展や課題の特定にも観察力が欠かせません。患者の身体的、感情的、認知的な変化を把握し、それに適した介入や調整をおこなえるのは、観察力の高い作業療法士です。

作業療法士に向いていない人

仕事には向き不向きがあることは、仕方のないことです。自分に向いていない仕事に就いてしまうと、周りに迷惑をかけるだけでなく、自分自身も大変な思いをするでしょう。そこで、ここでは作業療法士に向いていない人の特徴についてみていきます。

向上心がない人

まず、向上心がない人は、作業療法士として必要な専門知識やスキルを習得することが難しいでしょう。作業療法は常に進化しており、最新の治療法やアプローチに対する興味や探究心がないと、患者に最適なケアを提供することが難しくなります。

また、向上心のない人は自己成長を感じとりにくいため、業務においても満足のいく結果を生み出せない可能性があります。

収入を大きく伸ばしたい人

収入を大きく伸ばしたいという人も、作業療法士に向いていません。作業療法士の仕事は社会的貢献度が高い一方で、ほかの医療職に比べて収入はやや低めです。また、成果報酬型の仕事ではないことも大きく収入を伸ばせない理由です。そのため、収入を大きく伸ばしたいという人にとっては、作業療法士のキャリアは魅力的には思えないかもしれません。

作業療法士は患者との密接な関わりや個別のケアに重点を置き、患者の生活の質を向上させることに焦点をあてています。給与や収入よりも、患者の健康と幸福に貢献することを重視する必要があります。

現場から求められているスキルとは

ここまで作業療法士に向いている人と向いていない人の特徴を紹介しましたが、最後は実際に現場で求められているスキルについてみていきましょう。

何よりもコミュニケーション能力が大切！

作業療法士は、コミュニケーションスキルが高い人が重宝されます。まず、患者との信頼関係を築くためには、彼らのニーズや希望を理解し、適切に伝えることが必要です。また、患者が治療計画や目標を理解し、積極的に参加してもらうためにも、コミュニケーションスキルが重要です。

さらに、作業療法士は医師、看護師、理学療法士など、さまざまな専門家と連携しながら患者のケアを提供する必要があります。細かなコミュニケーションを通じて、情報を共有し、連携を図ることで、より総合的で効果的な治療が実現するでしょう。

また、作業療法士は患者の家族や介護者ともコミュニケーションを取ります。家族や介護者とのコミュニケーションを通じて、患者のケアを円滑に進めることが重要です。

さらに、チーム内でのコミュニケーションも必須です。作業療法士はひとりの患者に24時間付き沿うわけではなく、チームメンバーに引き継いだり、複数人の患者をサポートしたりします。そのため、チームの一員として活動し、ほかのメンバーと連携しながら働くことが大切です。チーム内での円滑なコミュニケーションを図ることで、患者に最適なケアを提供するための調整や調整がスムーズにおこなえるでしょう。

まとめ

作業療法士に向いている人と向いていない人、そして実際の現場で求められるスキルについて紹介しました。協調性や忍耐力、観察力など、作業療法士に必要なスキルは患者のケアに直結し、信頼関係を築くうえでも欠かせません。

適切なコミュニケーション能力もまた、患者やほかの医療従事者との連携を円滑にし、治療の成功に大きく貢献します。作業療法士としての適性を考える際には、これらの特性やスキルを持ち合わせていることが重要であると意識しておきましょう。