作業療法士の役割ややりがいについて徹底解説!
作業療法士は、患者が日常生活を再び取り戻す手助けをする専門家です。作業療法士の役割は、障害や疾患によって制限された患者の機能や生活の質を向上させることです。やりがいは、患者が日常の活動や社会参加を取り戻し、自立した生活を送れるよう支援する点にあります。その過程で感じる喜びや、成長を見られることが、この仕事の醍醐味です。
作業療法士とは
作業療法士は、健康やリハビリテーションの専門家であり、患者の日常生活の機能を改善し、自立した生活を営むための支援をおこないます。主な役割は、身体的、精神的、感情的な障害や疾患によって制限された患者が、日常生活のさまざまな活動を再びおこなえるよう回復のサポートをすることです。
具体的には、患者の個々のニーズや能力に応じて、適切な治療計画を立てます。これには、身体訓練、動作訓練、認知療法、ストレス管理などが含まれます。また、患者だけでなく介護者や家族に対する教育や支援もおこなっており、患者の生活環境の調整や改善を促進させているのです。
作業療法士が働く場所
作業療法士は、さまざまな場所で活躍しています。具体的には、病院、リハビリテーションセンター、介護施設、学校、地域の診療所などです。リハビリテーションチームの一員として働くことが多いですが、独立して患者に向き合うことも少なくありません。
以上のことから、作業療法士は、身体的な制限や精神的な障害に苦しむ患者の生活の質を向上させるために不可欠な存在なのです。
作業療法士の役割
まず、作業療法士の役割は、急性期、回復期、生活期という分野にわけられます。なお、どの分野においてもリハビリテーションやサポートを提供することは共通しています。以下で詳しく見ていきましょう。
急性期
急性期では発症からまだ1~2日ほど経ち、意識状態がよくない、呼吸状態や血圧が不安定な患者に対し、将来の生活を見越して支援をおこないます。心と体の基本的な機能の改善を援助するとともに、新たな機能の低下を予防するのが急性期の患者に対する作業療法士の役割です。
回復期
回復期では、急性期の作業療法のあと、病気や怪我の状態が安定した段階で、具体的な生活をイメージした機能や能力の改善をサポートします。患者が生活していくために必要な能力や、個々に応じた生活の方法を習得する支援です。具体的には、着替えや入浴動作の練習、家事練習、外出訓練などをおこないます。
生活期
生活期では、患者の生活に寄り添った訓練やサポートを提供します。日常生活を豊かにするための、最大限のサポートをおこなうのが生活期のリハビリです。具体的には、買い物に同行したり、社会復帰の練習を仕事場の近くでおこなったり、自助具を活用して趣味や生活を楽しむための精神的な援助などをおこないます。
作業療法士のやりがい
ここまで作業療法士について解説してきましたが、なかなかハードな仕事だと感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、作業療法士という仕事ならではのやりがいというものがあります。
患者の成長を実感できる
まず、患者がリハビリテーションの過程で成長し変化する姿を見られることが、やりがいのひとつです。はじめはできなかったことが徐々にできるようになり、その成果を目の当たりにすることで、作業療法士としての充実感や感動を感じるでしょう。
たとえば、患者が脳卒中で手の機能を失った場合、はじめは物を握ることも難しいかもしれません。しかし、継続的な訓練によって少しずつ手の動きが改善されていき、最終的に自分で日常生活のなかで物をあつかえるようになる姿を見られるのです。人間の成長や諦めない心を感じられるのは、この仕事ならではといえるでしょう。
患者から元気をもらえる
患者が徐々に自信を取り戻し、生活の質が向上する姿を見ることもやりがいの源となります。リハビリテーションを通じて、患者が自分でできることが増え、自分の力で生活できるようになる姿を身近で見ると、その頑張りからパワーをもらえるでしょう。
たとえば、脊髄損傷で歩行が困難な患者が、車椅子での移動や日常生活の動作を習得し、外出や趣味活動を楽しめるようになった姿を見て、自分も頑張ろう!と元気をもらえます。
支え合いの心が育まれる
患者とのコミュニケーションや関わり合いを通じて、徐々に信頼関係を築き、支え合うことがやりがいにつながります。患者と一緒に目標を設定し、それに向かって努力する過程で、作業療法士は患者との絆を深められます。患者からの感謝や笑顔を受け取ることで、自分たちのおこなっていることは本当に意味のあるものなんだと実感し、やりがいを感じられるでしょう。
まとめ
作業療法士は、患者が日常生活の機能を回復し、自立した生活を営むための支援をおこなう専門家です。その役割ややりがいは、患者が成長し変化する過程を見守り、彼らが自信を取り戻し、生活の質が向上する姿を目の当たりにすることにあります。
このとき、患者との絆を深め、ともに目標に向かって努力することで、作業療法士としての充実感を得られるでしょう。作業療法士の献身的な働きは、患者とその家族にとって貴重な支援となり、彼らの生活にポジティブな影響をもたらしているのです。