作業療法士専門学校の3年制と4年制の違い!資格取得の最短ルートとは

       
公開日:2023/05/01  

作業療法士は3年制と4年制があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。違いをしっかりと押さえ、各自の事情にあわせて選択することで、希望通りのスケジュールで作業療法士になれるでしょう。この記事では、作業療法士専門学校の3年制と4年制の違いに加え、資格取得の最短ルートについても解説していますので参考にしてください。

作業療法士専門学校の3年制と4年制の違い

作業療法士専門学校の3年制と4年制には、多くの違いがあります。3年制か4年制を選択するにあたって、違いをしっかりと理解しておくことがとても重要です。詳しく確認していきましょう。

称号が違う

作業療法士専門学校を卒業したときに、得られる称号が異なります。3年制を卒業したときの称号は「専門士」、4年制を卒業したときの称号は「高度専門士」です。4年制卒業時の「高度専門士」は、大卒の称号である「学士」と同等の扱いです。

授業のスピードが違う

通う年数が違いますが、国家資格の合格のために必要な内容は省けません。よって、授業のスピードが異なります。作業療法士の国家試験を受けるためには、養成施設で3年以上の学習が必要です。要件を3年で満たす必要があるために、3年制はスピードが早い傾向にあります。

学費が違う

3年制よりも4年制のほうが専門学校に1年長く通うため、学費が多く必要です。しかし、1年あたりの学費は3年制が高いケースもこともあります。専門学校にもよりますが、一例では、3年制は卒業までに約410万円、4年制では470万円ほどかかります。

給料が違う

3年制と4年制で就職難易度に差はありません。しかし、国公立系の病院などへの就職は、一般的に4年制のほうが給料は高くなる傾向があります。

作業療法士専門学校の3年制のメリット・デメリット

ここからは、3年制の作業療法士専門学校に通った場合のメリット、デメリットを挙げていきます。

メリット

通う期間が短いため、4年制よりも早く作業療法士になれることが最大のメリットです。早くお金を稼げ、より長期間のキャリア形成が可能です。

また、短期間でテンポのよいカリキュラムに乗れれば、効率のよい学習ができます。したがって、ある程度の基礎学力と、集中して勉強に臨める人におすすめです。また、通う期間が短いことにより、学費も安く抑えられることも魅力的です。

デメリット

4年制に比べ、給料が安い傾向があることがデメリットです。3年制の称号「専門士」は大学卒業称号の「学士」と同等と見なされないため、給料は低くなりがちです。1年だけ社会に早く出られる一方、生涯年収では4年制を下回ることを考慮しなければなりません。

また、授業のスピードが早いため、ついて行けず留年する可能性も高まります。加えて、国家試験に合格するだけの知識・技能を得られない可能性もあります。作業療法士協会によると、作業療法士に求められる多様なニーズ、高い専門性から、4年制が主流になるとされていることも考えなければなりません。

作業療法士専門学校の4年制のメリット・デメリット

一方、4年制のメリット・デメリットを確認していきましょう。

メリット

4年制の最大のメリットは、大卒と同等と見なされる「高度専門士」になることにより、給料が高くなる可能性があることです。しかし、国公立病院に作業療法士として就職した際のケースであり、民間の病院では給料の差はほとんどありません。

余裕のある受講スタイルもメリットです。専門学校によりますが、3年制に比べカリキュラムが詰め込まれていないため、ゆったりと講義・実習を受けられる傾向があります。短期間で詰め込む教育方針に自信がない人や、じっくりと力を付けたい場合、安心して実習に望みたい人におすすめです。

デメリット

4年間通うことになるため、3年制に比べ、学費が高くなることは大きなデメリットです。よって、4年制は時間とお金に余裕がある人向けといえるでしょう。また、作業療法士の国家試験を受けるタイミングが遅くなるため、とにかくすぐ働きたい人、最短で作業療法士として活躍したい人には向きません。

作業療法士の資格を取得する最短ルートとは

作業療法士の国家試験の受験要件は以下の通りです。

・高校を卒業していること

・養成機関での3年以上の講義・実習を受けて、必要単位を取得すること

よって、高校を卒業後、すぐに作業療法士専門学校に入学し、必要単位を取得できれば、最短で受験資格を得られます。「3年以上の講義・実習」が国家試験の受験要件ですが、最終年次の前半に実習のカリキュラムは終わり、後半は就職活動にあてられることも少なくありません。

作業療法士国家試験は年1回、2月に実施されます。専門学校在学中に要件を満たしていれば受験できるため、合格できれば晴れて作業療法士です。在学中に就職活動をして、内定を得ていた会社に入社することで、4月には作業療法士として働き始められます。

まとめ

作業療法士の3年制と4年制の違いに加え、資格取得の最短ルートについても解説してきました。作業療法士は3年制と4年制があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。学習への向き合い方、性格、時間や費用の負担感などを考慮し、3年制か4年制かを決めましょう。

双方のメリットとデメリットを押さえていないと、国家資格に合格するだけの力を得られない場合もあるため、じっくりと検討が必要です。作業療法士は、これからの社会になくてはならない職種です。3年制と4年制、それぞれのメリットを理解し、最大限のリターンが受けられるように、どちらのコースにするか考えましょう。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

将来的に作業療法士として働きたい方や、すでに作業療法士として働いており、転職を検討している方もいるでしょう。ただ、具体的にどういったところで働けるのか、そしてどのような業界で活躍できるのか気

続きを読む

作業療法士の給料は、地域や経験年数により異なりますが、一般的には平均年収400万~500万円といわれています。しかし、スキルアップや専門資格の取得といった戦略により、さらなる昇給も可能です。

続きを読む

作業療法士は、協調性や忍耐力、観察力などが優れている人にぴったりの仕事です。また、多くの患者と接しながら、ひとりひとりの些細な変化にも気付けるようなコミュニケーション能力も重要です。これらの

続きを読む

作業療法士になるための最短ルートは、まず3年制の専門学校に進むことをおすすめします。3年制の専門学校で専門的な知識と実践的な技術を身につけることで、比較的短期間で専門職につけるでしょう。本記

続きを読む

作業療法士は、患者が日常生活を再び取り戻す手助けをする専門家です。作業療法士の役割は、障害や疾患によって制限された患者の機能や生活の質を向上させることです。やりがいは、患者が日常の活動や社会

続きを読む

作業療法士を目指す際、専門学校と大学のどちらが適しているのか、多くの人が迷うことでしょう。専門学校は実践的な技術を重視し、早期に実務に携わることができ、大学では理論や臨床研究に重点が置かれ、

続きを読む

医療・福祉の分野で人の役に立ちたい、人の心身に寄り添う仕事がしたいという思いから、作業療法士を目指す方も多いのではないでしょうか。しかし、すでに社会人として働いている方にとって、新たな資格取

続きを読む

40代からでも作業療法士を目指すことは可能ですが、不安や疑問を抱える方も多いかもしれません。年齢を気にせず、夢を追い求めることは素晴らしい決断です。この記事では、40代から作業療法士を目指す

続きを読む

理学療法士を目指す方のために、名古屋でおすすめの理学療法士専門学校を3校紹介します。どの専門学校も国試合格率と就職率が高く、しっかりと対策しているため安心して就職活動ができる点が魅力です。卒

続きを読む

「作業療法士専門学校って、どうやって選べばいいの」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?作業療法士になるためには養成校で学ぶ必要がありますが、数多くの養成校の中から自分に合う専門学校を探

続きを読む