病院だけじゃない?作業療法士の主な就職先や選び方のポイントについて解説!
作業療法士は病院だけで勤務していると思う人もいるでしょう。病院などの医療施設で勤務している人の割合が多いので、そのように思われていますが、介護施設や老人ホームなどで勤務している人もいます。そのほかにもさまざまな現場で活躍しています。本記事では、作業療法士の就職先について解説します。
作業療法士の社会的な需要
作業療法士の需要はこれからも増していくでしょう。またこれからは、心のケアにも対応できる作業療法士が求められています。
年々増加している
作業療法士として活躍している人は、年々増加しています。毎年4,000~5,000人のペースで増加しているので、作業療法士として活躍できる現場が少ないのではないか、すでに飽和状態なのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし実際は、同じリハビリテーションの専門家である理学療法士と比較すると、決して飽和状態であるとはいえません。職場にもよりますが、常に人員不足となっているところもあります。
介護施設や福祉施設で活躍する作業療法士が少ない
病院などで勤務する作業療法士の人数と比較すると、介護施設や福祉施設で勤務する作業療法士の人数は少なくなっています。さまざまな現場で活躍することで、知識と技術が幅広く身に付くようになるので、積極的に新しい現場で挑戦してみたい人におすすめです。
需要は増加する見込み
高齢化がますます進むので、作業療法士の需要は増加する見込みです。高齢化が進むと、作業療法士として活躍できる現場が増加します。病院だけではなく、介護施設や福祉施設で活躍できるでしょう。
そのなかでも、認知症を予防するためのリハビリテーションに積極的に取組む事業所が増加する可能性があるので、その分野で知識と技術に優れていると有利でしょう。
心のケアにも対応できる作業療法士が求められる
現代はストレスを抱えている人が多くいます。そのため、対象者の心のケアにも対応できる作業療法士が、今後はさらに求められるでしょう。活躍する現場は、メンタルクリニックや精神科病院などになります。精神疾患や発達障害の分野に精通している専門家が求められています。
作業療法士の主な就職先・働き方
さまざまな働き方があります。
ほとんどが病院などの医療機関で勤務している
作業療法士として活躍できる現場は数多くありますが、ほとんどが病院などの医療機関で勤務しています。内訳を確認すると、医療機関で勤務する人の割合は全体の58.9%です。その次に割合が大きいのが、介護施設で全体の9.9%の割合です。
老人ホームで勤務する人の割合は全体の3.7%、養成校で勤務する人の割合は全体の2.4%となっています。
機能訓練指導員として働ける
作業療法士は、デイサービスなどの介護施設でも活躍できます。作業療法士の資格を保有していると、機能訓練指導員として勤務できるからです。介護施設では、機能訓練指導員を常に配置しておかなければいけません。
慢性的な人手不足に陥っている介護施設があるので、作業療法士として病院などの医療機関で勤務するだけではなく、新しい職場で自分の知識や技術を活かしたいと考えている人は、機能訓練指導員として勤務できる可能性を見つけましょう。
身体障害領域で働く場合
主な就職先は病院になります。そのほかにも、保健所、保健センター、リハビリテーションセンターなどがあります。
精神障害領域で働く場合
主な就職先は精神科病院になります。そのほかにも、メンタルクリニック、精神科デイケア、精神福祉保健センターなどがあります。
老年期障害領域で働く場合
主な就職先はリハビリテーションセンターになります。そのほかにも、療養型医療施設、認知症専門病院、訪問看護ステーションなどがあります。
発達障害領域で働く場合
主な就職先は小児病院になります。そのほかにも、児童福祉施設、養護学校、保育所などがあります。
養成校で働く場合
大学や専門学校などの講師として勤務する方法もあります。病院などで勤務するときとは違うやりがいを感じるでしょう。
作業療法士が就職先を選ぶ際に意識するべきポイント
2つのポイントを紹介します。きちんと成長できる就職先を選びましょう。
将来的にどうなりたいのかを考えて就職先を決める
就職先の選択肢が豊富なので、どのように就職先を決定すれば良いのか分からない人もいるでしょう。さまざまな経験を積むことは大切ですが、自分が将来的にどうなりたいのかを考えて就職先を決定することが大事です。
自分が興味を持っている分野であれば、難しくても極めたいと思うでしょう。将来のキャリアプランを立てておくことをおすすめします。
教育や研修制度が整っている就職先がおすすめ
最初に就職する場所で作業療法士としての基礎を学びます。そのため、教育や研修制度が整っていると、成長するスピードも速いでしょう。
まとめ
高齢化社会がますます進むので、これからも作業療法士の需要は増加するでしょう。また、作業療法士は心のケアにも携わるので、心のケアにも対応できる人が求められています。就職先が豊富にあるので、どこに就職しようか迷う人もいるでしょう。しかし、どこに就職しても構わないという考え方ではなく、将来的にどうなりたいのかを考えて決定しましょう。