作業療法士に向いている人は?必要なスキルや性格について解説!
作業療法士は国家資格を有し、リハビリのサポートをする専門職です。主な仕事内容は、ケガや病気などにより抱えている障がいや不自由さを軽減することです。また、患者さんとの距離が近く、機能回復はもちろん心のケアも必要です。本記事では作業療法士に向いている人の特徴やなるために必要なスキルなどをご紹介します。
作業療法士に向いている人の特徴とは
作業療法士は患者さんの体の機能回復だけでなく、心のケアも大切な仕事です。ケガや病気・心の病気により難しくなった起床~家事の日常生活や仕事・スポーツまであらゆる活動ができるようになるまでサポートします。作業療法士と並んで理学療法士という仕事があります。
理学療法士はスポーツ選手のケガの回復を行うなど主に体の機能回復やトレーニングを行い、作業療法士は心のケアも重要な仕事です。作業療法士は、医療知識はもちろんさまざまな分野へ興味を持ち、相手の気持ちに寄り添える人が向いています。
作業療法士になるために必要な資質
作業療法士になるために必要な資質はいくつかありますが、大切な5つをご紹介します。
高いコミュニケーション能力
リハビリは比較的高齢者のイメージがありますが、子ども~大人までさまざまな年齢層の患者さんと接します。障がいやケガを負った背景は人ぞれぞれで、中には気持ちが落ち込んでいる人も少なくありません。子どもは自分の気持ちを上手に表現できずリハビリ自体を嫌がったり、優しく接したつもりが違う意味に伝わってしまったりすることもあるかもしれません。男女問わずどの世代にも合わせたコミュニケーションが求められます。
相手の気持ちに寄り添う気持ち
リハビリが必要な人は、思うように動かない・痛みがあるなどイライラし精神面にも波があります。気分が優れない時もいつもと同じように指導すると、今後のリハビリに影響が出る可能性もあります。患者さんが理不尽な態度だとしてもその背景をくみ取り、精神面のサポートも必要です。
患者さんが楽しめる工夫ができる
病院など施設でのリハビリは、ストレッチや運動器具を使うなどのイメージですが、それだけでは単調で長続きしないですよね。器具を使わない体操や必要な動きを取り入れたゲーム、手芸など楽しみを取り入れたメニュー作りも求められます。
バリアフリーばかりではなく、あえて段差がある場所を歩く小旅行など目的を取り入れ、患者さんがやりたくなるリハビリも増えてきています。担当している患者さんが楽しく参加できるよう柔軟に、遊び心を取り入れることも必要です。
小さな変化に気づける
リハビリは長期にわたるケースが多く、患者さんとの付き合いも長くなる傾向です。わがままをいって相手に迷惑をかけたくないと、多少の変化は言い出せない患者さんもいます。しかし、患者さんの小さな変化に気づけることも必要な能力です。作業療法士に限らず医療従事者には必要なことですね。いつもより動きが鈍いなど小さくても変化を察知し、その日のメニューを変更するなどの対応が求められます。
根気よく対応する力
リハビリの計画を立てていても、患者さんの状態やケガの程度・精神面によりうまく進まないことはよくあることです。患者さんの気持ちに根気強く寄り添い、分析して対応すればきっと心を開いてくれるはずです。
作業療法士になるにはどんなスキルが必要?
作業療法士は、病気などで困っている人の支えになれるやりがいのある仕事ですが、具体的にどんなスキルが必要なのでしょうか?必要な資格もご紹介します。
作業療法士のなり方
作業療法士を目指すには、まず高校卒業後厚生労働大臣指定の養成施設へ進みます。養成施設は大学・短大・専門学校があり、卒業と作業療法士国家試験に合格し資格取得となります。合格率は7~8割程度と比較的クリアしやすい国家試験です。
ただし、試験は解剖学や病理学など医療分野も出題され、在学中には病院などで臨床実習もあるためコツコツ学ぶことが大切です。
学び続ける姿勢が大切
作業療法士の国家試験をクリアすることは第一歩にすぎず、常に学び続ける姿勢が大切です。ケガや心の病気は時代とともに変化し続けています。今行われているリハビリが必ず正しいとは限らず、患者さんと接する中でよりよい方法を上司や仲間と相談することも必要です。勤務する施設もさまざまで、たとえば高齢者の介護施設で働いている場合は子どものケアをしている施設の作業療法士と交流すると新しい知識や発見があるかもしれません。
専門的な資格も必要
作業療法士のほかにも、仕事にも役立つ資格を取得するとより高い専門性を証明できます。回復し自分で生活することを目指す施設に勤務の場合は、福祉住環境コーディネーター、より専門性を高めたい場合は認定作業療法士など職場に応じてさまざまな資格があります。福祉住環境コーディネーターは建築面からも、体の機能に応じて暮らしやすい住環境に整え福祉用具のアドバイスができます。認定作業療法士は勤務年数や実習をクリアすれば取得できます。資格は仕事の幅が広がり、常に向上心を持って勤務していることの証明にもなるので、積極的に取得しましょう。
まとめ
作業療法士は運動機能だけでなく心のケアが大切な仕事です。心は目に見えず対応が難しい部分ですが、養成施設で心理学などをしっかり学び粘り強く寄り添うことできっと変化が出るはずです。患者さんは子どもから高齢者まで幅広く、相手に合った話題やコミュニケーションも必要です。機械的な対応ではなく、患者さんが楽しんで参加できるメニュー作りや新しいアイディアなど柔軟性も求められます。常にアンテナを張り、積極的に学ぶことで時代の変化に対応できる作業療法士を目指しましょう。