作業療法士は働きながら資格取得できる?可能な3つの理由
医療・福祉の分野で人の役に立ちたい、人の心身に寄り添う仕事がしたいという思いから、作業療法士を目指す方も多いのではないでしょうか。しかし、すでに社会人として働いている方にとって、新たな資格取得に挑戦することは容易ではありません。本記事では、働きながらでも作業療法士の資格取得は可能なのか解説していきます。
働きながらでも作業療法士の資格取得は可能
結論から言えば、働きながらでも作業療法士の資格取得は可能です。
近年は社会人向けの学習環境が整っており、さまざまなルートで資格取得を目指せるようになっています。具体的には、以下の3つの方法があります。
大学・短大の夜間部に通う
昼間は仕事、夜は大学・短大に通うという方法です。
時間的な制約はありますが、カリキュラムは昼間部とほぼ同じ内容を学べます。社会人学生向けのサポート体制が充実している学校も多く、働きながらでも無理なく学習を進められる環境が整っています。
専門学校の夜間部・通信制に通う
専門学校でも夜間部や通信制を設けているところがあります。
夜間部は大学・短大と同様に、昼間は仕事、夜は学校に通う形式です。通信制は、インターネットや教材を使って自宅学習を進め、スクーリングと呼ばれる通学授業を定期的に受講する形式です。
自分のペースで学習を進められるため、時間的な制約が厳しい方でも無理なく資格取得を目指せます。
大学・短大・専門学校のスクーリングのみを受講する
大学・短大・専門学校によっては、スクーリングのみを受講することで、必要な単位を取得できる場合があります。
すでに必要な知識やスキルを持っている方であれば、この方法で効率的に資格取得を目指すことが可能です。
働きながらでも作業療法士を目指せる3つの理由
なぜ働きながらでも作業療法士を目指すことはできるのでしょうか?
社会人経験が活かせる
作業療法士の仕事は、患者とのコミュニケーションやチームワークが重要です。
医療・福祉の専門知識や技術はもちろん、患者に寄り添い、心身の状態を理解してサポートするためには、コミュニケーション能力や協調性、問題解決能力などが求められます。社会人経験で培ったこれらのスキルは、作業療法士の仕事においても大きな強みになります。
特に、チーム医療や多職種連携が重視される現代の医療現場において、社会人経験で培ったコミュニケーション能力や協調性は、チームの一員として円滑に業務を進めるうえで役立ちます。
さらに、社会人経験を通じて培った人間関係やネットワークも、就職活動や転職活動において有利に働く可能性があります。
学費を負担しながら進められる
働きながら資格取得を目指す場合、経済的な負担は大きな課題です。
しかし、奨学金や教育ローン制度を利用したり、夜間部・通信制では学費が比較的低く抑えられているため、働きながら学費を負担しながら進められます。日本学生支援機構や民間金融機関などが提供する奨学金制度を利用することで、学費の負担が可能です。
奨学金には返済義務のない給付型と、卒業後に返済する必要がある貸与型があります。また、銀行や信用金庫などが提供する教育ローン制度を利用することで、学費を借りられます。
教育ローンには、在学中に利息のみを支払い、卒業後に元金と利息を返済する元利均等返済型と、卒業後に元金と利息をまとめて返済するボーナス併用返済型などがあります。
夜間部や通信制では、昼間に仕事をして夜間に学校に通ったり、自宅学習を主体にスクーリングと呼ばれる通学授業を定期的に受講することで、資格取得を目指せます。学費は昼間部よりも比較的低く抑えられているため、経済的な負担を軽減できます。
将来のキャリアプランが明確
作業療法士は国家資格であり、就職先も幅広いです。
病院やリハビリテーションセンターだけでなく、介護施設や福祉施設、学校、企業など、さまざまな場所で活躍できます。近年は、高齢化社会の進展や障害者福祉の充実により、作業療法士の需要はますます高まっています。
国家資格を持っているため、転職もしやすく、安定した職業として将来設計を立てやすいのも魅力です。
作業療法士の仕事に向いている人の特徴
作業療法士は、高齢者や障がい者の方と密接に関わり、心身の回復をサポートする重要な役割を担っています。
患者との信頼関係を築き、適切なリハビリテーションを提供するためには、さまざまな能力や心構えが必要となります。
コミュニケーション能力
患者とのコミュニケーションは、作業療法士の仕事の根幹です。
会話やジェスチャー、表情などから患者のニーズを察知し、潜在的な課題や不安を引き出す洞察力と、患者に寄り添ったコミュニケーション能力は不可欠です。
患者に寄り添う気持ち
患者一人ひとりの背景や状況を理解し、常に患者目線で考えることが求められます。
病気や障がいによって心身に大きな負担を抱えている患者にとって、作業療法士の存在は大きな支えとなります。共感力と患者への深い理解に基づいた、温かく誠実な対応が求められます。
忍耐力
リハビリテーションは、短期間で成果が出るものではありません。
数ヶ月から数年という長い時間をかけて、患者と共に歩む忍耐力と継続力が必要です。小さな変化にも目を凝らし、患者を励まし、モチベーションを維持しながら、目標達成に向けてサポートしていくことが重要です。
柔軟性
患者は年齢、性別、症状、性格など、さまざまな個性を持っています。
それぞれの患者に合わせた柔軟なリハビリプランを構築し、状況に合わせて臨機応変に対応する適応力が必要です。新しい知識や技術を積極的に学び、常にスキルアップを目指す姿勢も重要です。
まとめ
働きながら作業療法士の資格取得は、時間的な制約や経済的な負担など、さまざまなハードルを乗り越える必要があります。しかし、事前に入念な準備を行い、計画的に学習を進めることで、目標達成は可能です。人の役に立ちたい、人の心身に寄り添う仕事がしたいという強い意志を持っている方であれば、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。